生前整理の必要性やうまく行うためのポイントとは?


今、親が亡くなった後、遺品の処分方法に悩む子どもが増えているそうです。
その一方で、元気なうちに自分の持ちものを整理する「生前整理」にチャレンジする人も増えています。
そこで、今回は生前整理のポイントや必要性をご紹介しましょう。
「生前整理をしたいけれど、どこから手をつけてよいか分からない」と悩んでいる方もいると思います。
そのような方は、この記事を読めば生前整理のやり方が分かるでしょう。
また、ただ整理するだけでなく、子どもや孫がスムーズに形見分けができるポイントもご説明します。

目次

  1. 生前整理とは?
  2. 生前整理のやり方とは?
  3. こんな人は、ぜひ生前整理を行っておこう
  4. おわりに

1.生前整理とは?

まず始めに、生前整理とは何かということやその必要性をご紹介します。
いったいなぜ、生前整理をする人が増えてきたのでしょうか?

1-1.ものを残されても困る人が増えている

昭和の中ごろまで、生活用品や服は財産でした。
着物や生活用品は親から子へ、子から孫へと受け継がれていくものだったのです。
また、生活用品や服の寿命も長く、壊れたり破れたりしたら修理して使い続けました。
しかし、現代では親から子へ受け継げるものはわずかです。
生活用品や洋服は寿命も短くなり、着物も着る人も少なくなりました。
さらに、家の構造も変化していますから、大型家具の需要も減っています。
ですから、「ものを残されても困る」という方が増えているのです。

1-2.ものを捨てるのにもお金がかかる

今は、ものを捨てるのにもお金がかかります。
特に、大型家電や大型家具をたくさん処分すれば、それだけで万単位のお金がかかるでしょう。
また、ごみ出しのルールも厳しくなっていますから、残されたものが不要な場合はごみの分別も大変です。
さらに、賃貸住宅の場合は借り主が亡くなれば早急に家を明け渡さなければなりません。
遺品がたくさんあるほど、遺族は片づけに苦労するのです。

1-3.生前整理とは何をするのか?

「生前整理なんて、まるで死ぬ間際のようで縁起でもない」と思っている人もいます。
しかし、生前整理は死を意識した人が行う身辺整理ではありません。
年を取ると誰でも体が動きにくくなり、気力も低下していきます。
今まで管理できていた持ちものも、もてあますようになるでしょう。
ですから、生前整理は気力と体力がまだ充実しているうちに、持ちものから本当に自分が必要なものだけを選び出す作業なのです。
生前整理をしておけば、たとえ自分ひとりで生活できなくなったときもスムーズに生活環境を変えられるでしょう。
もちろん、亡くなった後の遺品整理や財産分与も簡単です。

2.生前整理のやり方とは?

では、生前整理はどのように行えばよいのでしょうか?
この項では、生前整理をじょうずに行うポイントをご紹介します。

2-1.時間をかけて行おう

生前整理を行おうと考えるのは、50代以上の方が多いと思います。
持ちものも少なくないでしょう。
中には、「収納スペースに、何年も使っていないものがぎっしり入っている」という人もいるかもしれません。
これらをすべて整理するには時間がかかります。
ですから、生前整理は焦らずゆっくり行っていきましょう。
1年以上時間をかけてもかまいません。

2-2.持ちものの順位を決めよう

生前整理を行う場合、まずは持ちものの順位を決めましょう。
最も必要なものは、貯金通帳や家の権利書などの財産、そして印鑑証明や生命保険の証書などの重要書類です。
これは、自分の死後も必要ですから一か所にまとめておきましょう。
次に重要なのは、現在使っているものやこれから使う予定のあるもの。
3番目に重要なものは、思い出の品や子や孫に残したいものです。
生前整理は、持ちものをこの3種類に分けることからスタートします。
何年も使っていないものや、これからも使う予定のないものは処分しましょう。
処分する決心がつかないものや、使う可能性があるものは一か所にまとめておき、しばらく時間をおいてください。
その間、一度も使わなかったり思い出したりしなかったものは処分しましょう。

2-3.不用品の処分方法を考える

持ちものを整理が終わったら、不用品の処分方法を考えましょう。
不用品の処分方法は

  • 捨てる
  • 誰かに譲(ゆず)る
  • 売却する

の3種類があります。
ただし、売却できるものごくわずかだと思ってください。
服やバッグなどは高級なものでも流行(りゅうこう)ありますから、古いものに価値はありません。
着物も同じです。
需要が少なくなっていますから、質のよい着物でも高値がつきにくいでしょう。
また、古い洋服やバッグ、着物はもらっても困る人が多いです。
「子どもや孫が着るだろう」と思わずに、いさぎよく処分してください。
生活用品の場合は、寄付を受けつけているところもあります。
ただし、寄付をする場合は、必ず寄付を募(つの)っている団体のやり方に沿って行ってください。
いきなり持ちこんだり送ったりしてはいけません。
大型家具や家電などひとりで処分できないものは、不用品回収業者を利用してみましょう。
有料ですが、依頼すれば家まで回収に来てくれるうえに、一度に不用品を処分できます。

2-4.エンディングノートを作成しよう

さて、持ちものの整理が終わったら、エンディングノートを作成しましょう。
これは、自分が子どもや孫に伝えておきたいことを書き記しておくノートのことです。
専用のものも出ていますが、手元にあるノートを使っても問題ありません。
ノートには、貴重品がしまってある場所や、財産や借金の内訳(うちわけ)、子どもや孫に残したい品物などを書いておきます。これを作成しておけば、いざというときも安心です。
残された人もスムーズに遺品整理や財産分与が行えるでしょう。

3.こんな人は、ぜひ生前整理を行っておこう

では、最後に特に生前整理を行った方がよい人をご紹介します。
ぜひ、参考にしてください。

3-1.賃貸住宅に住んでいる人

賃貸住宅は契約者が亡くなった場合、速(すみ)やかに退去しなくてはなりません。
ですから、遺族がすぐに荷物をまとめられるように生前整理を行っておきましょう。

3-2.ひとり暮らしの人

持ち家に住んでいる人でも、ひとり暮らしの場合は生前整理を行っておきましょう。
離れて住んでいる家族や親族が、スムーズに遺品整理や財産を分配できます。

3-3.コレクター

美術品など価値があるものをコレクションしている人は、収集品の生前整理を行っておきましょう。
コレクションの価値や譲りたい人をノートに記しておくと、遺品整理のときにもめずに済みます。
また、最近はコミックやホビーなど「特定の人には高い価値のあるもの」も増えているのです。
価値が分からない人が捨ててしまわないためにも、生前整理は大切でしょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は、生前整理の必要性ややり方をご紹介しました。
まとめると

  • 現在は、ものを残されても困る人が増えている。
  • 不用品を処分するにもお金がかかるため、遺品整理が大変になっている。
  • 生前整理をしておけば、いざというときにいろいろな手続きや処理がスムーズに進む。
  • 遺品整理は時間をかけて、必要なものを厳選(げんせん)していく作業である。

ということです。
生前整理をしていくと「まだ使えるのにもったいない」と思うものも出てくるかもしれません。
しかし、まだ使えるものでも誰も使わないものは、すでに寿命を終えているのです。
もったいないですが、処分してください。
また、親子で協力して生前整理をする場合は、親のペースに合わせましょう。
子どもがどんどんものを捨てようとすると、親は反発します。
親が持ちものの要・不要を考える時間を作ることが大切です。